カテゴリー: デジカメ・ガジェット

  • 全くのオーディオ初心者が本格的なスピーカーを探してみた

    (2021年6月にスピーカーを買ったときの話)

    最新のテレビ(BRAVIA・KJ-65X9500H)を買ったのですが、1つ問題がありまして、今の狭額テレビは音が悪い!


    (どうでもいいけど狭額って何て読むの? 「きょうがく」でいいの?)


    昔のテレビは前にグリルが付いていてスピーカーが前を向いていていたので、最低限の音は出ていたんですよ。
    今は裏側のスリットから横向きに音を出すだけなので、これがもうヒザから崩れ落ちくらいしょぼい音で。
    テレビ売り場でやたらとサウンドバーを売っているわけが分かったよ、あれは昔の内蔵スピーカーを取り出して箱に入れたやつなのね…。

    というわけで、どうせならスピーカーも本気のやつを揃えようということで。
    これを機会に「そもそもスピーカーってどんな世界なの?」っていうのを根本的に調べてみました。
    デジタル機器と違って「空気の振動」という物理現象を扱うアナログ装置なので、興味深い独特の世界ですね。

    記事の間が保たないので挿入した写真

    素人なりの理解としてはこんな感じらしい…。
    (玄人の方からすると突っ込みどころもありそうですが)

    • プラスチックの箱はプラスチックっぽい音がする、ということは箱も振動して鳴ってる
    • ドライバーは振動を発生させるための起点にすぎない、実際は箱全体を鳴らしている
    • コーンは前後に往復振動するので、前に出ているのと同じだけの音量が箱の中にも出ている
    • 中の空気も使って音を鳴らしているので箱の容積大事、物理装置は大きさが重要
    • バスレフポートは濁った中高音を後ろに捨てているが、低音は回折が強いので前に回り込んでくる
    • 耳に入ってくる音の数割は壁や天井で反響したもの。最終的な音響装置は部屋そのもの

    大きさによるスケール感の違いを確かめるために、ヨドバシAkibaで同じメーカーの同じシリーズを聴き比べてみました。
    KEFのQシリーズを小さなモデルから順に聴いてみます。

    • Q350(ブックシェルフ型)
      音が軽くて薄い感じがする、小さな箱の中にむりやり振動を押し込めている感じ。
      音量を小さくしてもやっぱり分かっちゃう
    • Q550(トールボーイ型・小)
      急に大きさに余裕が出てくる、箱の存在が消えて透明になってくる、音が豊かで奥行きがある
    • Q750(トールボーイ型・中)
      それに加えてさらにスケール感が出てくる
    • Q950(トールボーイ型・大)
      さらに迫力が出てくる、が、素人にはもうあんまり違いが分からないような?

    一番変化を感じたのはブックシェルフ型から→トールボーイ型になった「Q350Q550」ですね。
    トールボーイ型は縦に長いので容積的にブックシェルフ型より有利。
    さらにそれより大きいクラスはもちろん迫力があるのですが、価格差ほどの違いは感じられないかと。
    というわけで限られた予算で一番コストパフォーマンス的に美味しいのは「トールボーイ型の一番小さなやつ」なのでは!

    他にもいろんなメーカーを聴き比べてみましたが、素人の感想としては「同じ大きさのスピーカーはやはり同じくらいのクラスの音がするなぁ」という印象でしたね。
    よくスピーカーのレビューで「こんなに小さな箱から驚くような高音質が」みたいな文句をみますが、そんな魔法あるのかなぁ…。

    記事の間が保たないので挿入した写真
    • KEF Q550
      癖のないストレートな音、左右の音の広がり感が狭い、ボーカルが頭の真ん中に来すぎて車酔いみたいになる。「定位が良い」っていうのはこういうこと?
      よく言われるけど低音は控えめ。
    • DALI OBERON5
      個性的な音なのに一番しっくりきたやつ。 低音が和太鼓みたいな響きで面白い。低音量は普通。
    • Klipsch R-610F
      米国人大好きKlipsch、米国で「ホームシアターをDIYするよ!」みたいなYouTuberは大抵これ。
      笑っちゃうくらい派手で大迫力。ゲームと映画用途ならこれが一番だったかも。
    • Monitor Audio BRONZE200-6G
      スチール缶を「カツーン」って叩いたみたいなあの周波数がキンキン響く。どうも僕は個人的にこの響きが苦手っぽい。
      これだけ突出して変な音だったんだけどこういうもの?
      お店のセッティングがおかしかった?
    • Bowers & Wilkins 603 S2
      予算オーバーのためあんまり真面目に聞かなかった。デザインが好き、うっとり。家に油田が湧いたら欲しい。

    音質の差はともかく、どのメーカーもバラバラの個性的な音を出して来るので、自分の好みのやつを選ぶのが重要そうですね。

    というわけけで買ってきましたDALIのOBERON5。
    アンプも買わなきゃ。


  • 4Kテレビを買ったらHDRが凄かった

    (2020年11月にテレビを買い換えたときの話)

    HDR! HDR!

    新しいテレビはSONYのBRAVIA・KJ-65X9500Hです。
    以前使っていたのはまだバックライトに冷陰極管を使っていた頃の東芝REGZAなのでなんと12年ぶりの買い換えです。
    最新の液晶テレビすごい、こんなことになっていたとは。

    正直4Kの解像感は予想通りだったのでそこまでの感動はないのですが、びっくりしたのはHDRです。
    幅広いダイナミックレンジでキラキラ感がすごい、ハイライト部分にもしっかり色が乗っていて気持ちいい、全体的な彩度もメリハリが付いていてすっきり。
    SDRだと全体的にのっぺり彩度が上がって不自然なんですよね。

    このテレビを買って以来すっかりHDRがマイブームなのですが、探してみるとHDRコンテンツってあんまり無いんですよね。
    ゲームの「HDRリマスター版」的なものも元のSDRを不自然にアップコンバートしただけだし、4K8K放送もほとんどはSDRの地上デジタル番組をそのまま流しているし。
    深刻なHDRコンテンツ難民です、早くHDRが標準の時代になれー。

    で、噂の直下型LEDバックライトってどうなの?っていう話なのですが、確かにシャドウ部分の黒の濃さはかなりくっきりしています。
    でもこれがエリア分割バックライト制御(ローカルディミング)のおかげなのかというとちょっと疑わしくて、なぜかというと設定で制御を切ってもあんまり変わらないんですよね。
    SONYはVAパネルを使っているという噂を聞くので、単にそれのおかげなんじゃないかと。

    VAパネル:一般的なIPSパネルより視野角が狭い代わりにコントラストが高い(らしい)

    エリア分割バックライト制御で余った電力をハイライト部分に振り分ける「X-tended Dynamic Range」という機能があるのですが、ハイライト部分のキラキラ感がさらに増量するのでこっちの方がはるかに威力があります。
    エリア分割バックライト制御の真の恩恵はむしろこっちなのでは?

    エリア分割バックライト制御の弱点と言われるハロ(明るい被写体の周りに出る滲み)は斜めから見るとちょっと気になりますね。
    あとエリア分割が大雑把なせいで白い字幕の明るさが不均一です。
    「シャミ子が悪いんだよ…」みたいな文字があると画数の多い「悪」だけエリア判定で明るくなっちゃう。

    エリア分割バックライト制御の弱点、四隅が暗いのも気になる人がいるかも、角の部分だけLEDを増やしておくとかじゃだめなの? だめなんだろうな。
    こういった直下型LEDバックライトの弱点は今後ミニLEDで改善されていくらしいのですが、はたしてどうなるのか。

    未確認情報ですが最大輝度が1000nitくらい出ているという噂も聞くので、明るい日差しが入ってくるリビングでは助かります。
    このあたりは明らかに有機ELテレビより優れてますね。

    この足の高級感に惚れて買ってしまった

    リモコンがBluetoothなのでテレビに向けなくてもいいのも地味に便利。
    インストールしたNetflixやYouTubeも全部同じリモコンで操作できると大変ストレスフリー。
    HDMI CEC経由で外付けのApple TV 4KやPS5まで操作できるのはちょっと笑った。
    リビングのあっちとこっちに置きたいので2台目のリモコンも買ったのですが、Bluetoothのペアリングは1台しかできなかったという罠。

    後日談

    数ヶ月で起動ループして電源が入らなくなるトラブル。
    その場で分解して基板をまるごと交換する修理になりました。
    保証期間内だったから無料だったけど、大丈夫なのかSONY。
    これくらいのクラスの機種になるとなんか修理もメーカーの「重鎮」みたいな人が派遣されて来ますな。